D.I.Y. 板金屋根 、解体 ・・・ 立平葺き ( たてひらぶき ) の場合 ・・・古民家の 解体や改築 ・・・

 屋根の鉄板は どうやって 剝(は)がしたらいいのでしょうか?
 やってみます 。

目次

1. 折り込んでいる部分を 探し 、起こしていきます ・・・

とりあえず 、最初は こんな感じの屋根 。。。写真 右端の部分は 既に はずしてある 。

45 cm 幅の 細長い板金が 横に連結されているという構造 。

縦に ラインが入っているように見えるのは 、薄い ( 0.35 ミリ ) の板金が 折れ曲がりにくくなるように 立ち上げた「リブ ( rib , 肋骨)」と呼んでいるもの 。

両端は 接合 ( 嵌合 【 かんごう 、はめ込むこと 】)を 兼ねていて 、リブというよりは 「ハゼ」という 。今回はがすものは 、真ん中に つまみ上げたように もう一つリブが あるタイプ 。


写真の 真ん中の部分を 剥がしてみる ・・・
まず 、縦方向の端を はずしてみる ・・・
こんな感じで 折り込んである 。
破風に取り付けた「からくさ」とかいう板金の部材の端に 終端を 折り込んで 飛ばないように留めてある 。
「つかみ箸(ばし)」で 折り曲げてある端を ひっかけて 、ひっくり返す 、というか 、あおって 開いてくる というか 折り込みを もどす・・・
少し 引いて見ると こんな感じ ・・・
板金一枚分の端の折り込みを もどした状態 ・・・

90 °くらいもどすと 上に 上がる準備ができたという感じになる 。
現時点での全景 ・・・
横の連結部分の リブは 端で折り込めるように 平らに叩(たた)きつぶしてあるので この部分だけは 、180 °曲げて もどしておく 。

そうしないと 接合部分(ハゼ)の 折り込みが もどせない 。
端で折り込むために 平らに つぶしたハゼを 起こす ・・・
起こすと 端は こんな感じになっている 。

2 回 折り曲げてある 。

なので 、2回 、ハゼを 起こす 。
折り込んである 一番下に バールの先端を 差し入れ 、あおって 起こす ・・・

90 °、しゃくり上げる感じ ・・・

このバールは 、試行錯誤の上 、改良して作った 、もともとは 100円ショップのダイソーで売っていた 110円のバール 。

板を 置いているのは 、足で踏んで 周りの板金が 持ち上がるのを 防ぐため 。

こうしないと 掛けた力が ハゼお越しに あまり使われず 、周りの板金を 持ち上げるのに使われてしまう 。

作業効率が かなり変わる 。

可能な限り 、ハゼの真下付近を 押さえる 。
初めて 屋根板金を 剥がそうとした時は 、つかみばしやら皮スキやら 使えるかもと思えたもの すべてを 動員 、結局 つかみ箸だけでも できた ・・・

・・・なのだが 、時間と 力が とてもかかったので 、やりながら 思いつくことを 改良していった 結果が このバール 。

調べると 「ハゼ剥がし」なる道具が 板金屋さんの業界では あるらしいのだが 、D.I.Y. で ごくたまに 、たぶん 一生に1回くらいしかやらないのに 買うには お高いし 、まねして 自作を 試みたが 、いまだ 完成せず 、、、この バールで とりあえず やっていて 、先端の形状を 少しづつ改善していったら まぁ これでもいいか ・・・という 作業効率となった 。
気軽に 試せる道具なので 少し詳しく紹介してみる 。

全体は 、こんな感じで ビニール・ハウスなんかで使われるパイプを差し込んで 長くして使いやすくしてある 。

長い方が 入れる力が 少なくて 楽かな?と思ったが 、80㎝くらいにしたら 長すぎて つっかえたり 、素早く バールの先を 動かしにくくなり 、全長で 45センチくらいに 落ち着いた 。

こんな感じに パイプに差し込んで クサビで留めると 長さの 調節も 簡単なので いい 。

連結部分には ナラの木で 作ったクサビを 打ち込んだ 。

クサビは 硬い方が よくキマる 。

最初は そのへんの廃材の松で作ったが 、使っていると よく抜けて来て そのたびに打ち込んでいると 折れた 。ナラにしてからは たまにしか ゆるまなくなり 、作業していて 気にならない程度になった 。
先端の形状は 重要 。

先端を 削らずに 使うと 、よく滑って ハゼに 引っ掛からないことが あったが 、このように 少し フックのように削ってみたら ほとんど 滑らなくなった 。

やりながら 少しづつ ディスク・グラインダー や やすりで 先端を 削り 、滑らなくなるまで 調整した 。
先端の拡大写真 ①

おおざっぱに言うと 、自動車工具のタイヤ・レバーの先端に 似ている ・・・
先端の拡大写真 ②

ほんの先端だけ 薄くするが 、刃が付くほど鋭くなく 、拡大すると丸まっている感じ・・・

先端は かすかに 丸まっていた方が ハゼに引っかかるまでの 滑りがいい 。切れなくなった包丁くらい? 刃渡りが 「ひかる」感じかもしれない・・・
先端を 手で表現した場合 ・・・

ロック・クライミングしたり 、壁を 登ったりする人がする 手の形 、または プロレスラーが 怖い顔してファイティング・ポーズ取った時には だいたいこんな感じの 手の形になっている ・・・
作業者目線で 見た場合 ・・・

少しづつ 起こす ・・・

90 °くらいまで 起こす ・・・
作業者目線 、拡大 ・・・

バールで 起こすと 、起こしていく進行方向に 起き上った板金部分に隣接して 、締まっていたハゼが 少し 斜めになって 起き上がってくる部分が できる 。そこに 次の バールを 入れると 軽い力で きれいに 起きる 。

全く 起き上げっていない部分は 、なかなか起き上らないし 、一か所だけ強引に起こそうとすると いびつに変形する 。

一か所 起こしたい時も その周りを ゆるく 長めに少し起こしておくと 、起こしたい場所が きれいに 起きる 。

起こす回数は多く 、単純で 根気のいる作業だが 、さして力もいらないし 熟練がいる作業でもない 。
1回目のハゼ起こしが終わった状態 。
1回目の ハゼ起こし後の 先端部分 ・・・
90 °に折れた部分を 真っすぐにする 。

1回目のハゼお越しの後 、すぐに 90 °に 曲がった状態から 2 回目の ハゼお越しをしようとすると 、

バールの先端の 回転運動と ハゼの起き上る角度が 合わず 、上手く行かない 。

たまたま 90 °に 折れ曲がった部分が 少し 立ち上がった後に ハゼが はがれて 起き上る事があったのを見て 、

あらかじめ 、90 °に折れた部分を 真っすぐ立ててから 1回目の要領で バールを ひっかけ、あおると 楽に上がると 気づいた 。

使っている工具は 板金屋さんの使う締め機の一種 で「2番締め機」とかいうやつ 。

まさに この「たてひら葺き」用の 道具で 、この部分のハゼを 仕上げる2回目の締め込みをして ハゼ部分を 真っすぐ立てるもの 。

本来なら 、今の状態から 、さっきの 1回目のハゼを 起こす前の状態にするもの 。工具類のリサイクルショップにあったのを 買った 。

つかみバシでも できるが 、、、握力 なくなる ・・・感じで 手が 疲れる 。
90 °に折れた角を 真っすぐ押して伸ばすために 、締め機を できるだけ寝かせて挟みます 。
締めつつ 、周りの板金が 持ち上がらないよう下に押しつけつつ 、反対側に締め機を 倒すようにして ハゼを 上に立てて行きます 。
ハゼを 立てたところ ・・・
立てた部分の拡大
一列全部の ハゼを立てた状態 。
2 回目の ハゼ起こし 。

ハゼを立てて バールを 引っかける位置が 少し高くなったので 、それに応じて 当て板も 厚くし 、「2番起こし用」の簡単な道具を 作りました 。

やり方は 1回目のハゼ起こしと同じです 。

最初は ハゼの両側に 板を それぞれ置いて 足で踏んでいたのですが 、毎回 最適な位置に 並べるのが 面倒になり 、横に棒を打ち付けてつなぎました 。

長方形に つないでいたら 変形して来て 何度も ビスを打ち直すことになり ある時 いい加減に 斜めに打ったら それから動かなくなり 、いい塩梅(あんばい)です 。
2回目のハゼ起こし 拡大 ・・・
2 回目のハゼ起こしが 終わった状態 。
持ち上げると はずれます 。

あとは 下の方の 軒の「からくさ」との折り込みを はずせば 板金は 取れます 。

下の方も 上の方と 同じように付いています 。

軒の方は 落雪する時に 垂木が 折れて 屋根が 曲がっていて 危険なので 、まだやってません 。

まとめ ・・・

 こんな感じで 地道に 施工手順の 逆順で 折り込んである 板金を 起こしていくと はずせます 。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次